2025.03.17
イベント?展示会
山形県?高校生 歴史探究ポスター発表コンクール「レキタン2024」受賞作品と講評を掲載
歴史遺産学科が主催する、山形県の高校生を対象とした歴史探究ポスターコンクール「レキタン2024」の表彰式は、2025年3月11日(火)、任你博本館1階ギャラリースペース「TUAD WINDOW」にて開催されました。以下に受賞作品と審査員の講評を掲載します。
【最優秀賞】
「欄間が伝える日本家屋の陰影礼賛 ~河北町安部権内家が伝える日本の心?美?粋~」
山形県立谷地高等学校 東海林彩華(3年生)
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【審査員講評(志村直愛)】
地域の文化財である古民家に注目し、調査、考察から将来提案にまで至った実り多い研究でした。欄間の造形やモチーフに関する多角的な解釈は、歴史的建築の価値を高める大切な要素です。図面資料や伝統技法の美しさを伝える豊富な写真で構成されたボードも見ていて楽しい魅力的な仕上がりになっています。
【優秀賞】
「山寺の歴史と地域振興 ―山寺で、つなぐ、結ぶ、接続する―」
山形県立山形中央高等学校
石井陽向、 黒柳葉月、 杉山直史 (2年生)
大場初暉、後藤颯太、 伊藤みやび 、 中里愛佳 (1年生)
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【審査員講評(松田俊介)】
山寺の歴史を主題として、発表者たちが実施した複数の地域振興プロジェクトをめぐる発表で、非常に実践的な内容です。プレゼンテーションについても、活動の撮影動画を多用する、作図?作表するなど、さまざまな工夫がされており、活動力と表現力の点で卓越した作品といえます。山寺の歴史的な文脈を掘り下げて活動に盛り込むなどして、より発展させながら探究を続けていただきたいと思います。
【優秀賞】
「真室川空襲の真実に迫る!」
山形県立新庄北高等学校 定時制
髙橋那槻、井上涼月、佐藤杏奈、髙橋晴琉、髙橋陽花(3年生)
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【審査員講評(岡陽一郎)】
真室川空襲の現場を米軍撮影の航空写真との対比で割り出し、民家が被害を受けた理由を考察した点は斬新でした。近年、デジタルアーカイブの整備が進んでいますが、遠くにある資料にインターネットでアクセスし、研究を進めるいう手法は、今後の歴史研究の一つのモデルケースになります。
一方、現地にも埋もれた「非デジタル化」資料は、もうないのでしょうか。現地で生活する強みを生かし、さらなる聞き取りや現地調査、地元の資料の博捜により、今後の研究の深化を祈念します。
【審査員特別賞】
「天皇と国民の関わり方の変遷」
山形県立山形東高等学校
鈴木理音、髙橋遥希、奈良昂弥(2年生)
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【審査員講評(青野友哉)】
明治期から現代までの天皇の行幸?巡行の年平均回数を集計し、訪問先?目的の違いにも着目して変遷を整理した意欲的な研究です。探究の過程では、「憲法による影響」だけではなく他の要因も考えられることから、「行幸の回数?目的の違い」との因果関係を証明する難しさを実感したことが窺えます。本研究は、作業仮説の問題点を自ら発見し、更なる考察で補う研究姿勢が素晴らしく、また、皇室に関わる事柄を正しく理解して議論を深めようと、現代的な課題に取り組んだ点が評価されます。
【パレオ?ラボ賞】
「八幡さまで祀られる玉依姫は何者か?」
山形県立山形東高等学校
長坂真歩(2年生)
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【審査員講評(松田俊介)】
国内で多様に広まる玉依姫概念について、文献やインタビューを元に、来歴から現代の人々の受容?解釈まで丁寧に整理した研究です。研究内容がわかりやすくビジュアルに提示されており、神道文化の地域性?多様性が的確に描写できている点も高く評価できます。今後は、各地域の玉依姫概念の事例を掘り下げるなどして、より深化した研究を期待します。
【奨励賞】
「いろんな長町 ~私の住む長町と東北各地の長町との相違について~」
惺山高等学校
設樂美羽(2年生)
【審査員講評(志村直愛)】
自分の住む町から発展して、同じ長町という地名をテーマに東北各都市の比較を思いついたのはユニークな視点でした。地理と歴史の相関関係が色鮮やかな地図からも読み取れ、様々な発見成果を実感できます。せっかく250mの距離に気づかれたのですから、地図上に距離がわかるようスケールを示すとよいですね。
【奨励賞】
「延沢銀山の歴史とオーバーツーリズム問題の解決について~その他の日本の金銀山との比較を用いて」
東海大学山形高等学校
井澤裕作、坂本真慈(2年生)
【審査員講評(佐藤祐輔)】
観光地としての「銀山温泉」だけでなく、銀山跡を他地域と比較しながら歴史的観点で調べ、地域資源の可能性を求めた点で評価できます。
ただ、銀山跡の立地を考えるとオーバーツーリズムの解決にはもう一歩異なる視点が必要です。ポスターも書体を揃えて、ビジュアル的に示すと、より良いものになるでしょう。