25.08.29
読みもの
今回は、建築?環境デザイン学科の1?2年生を対象にした、特徴的な授業やプロジェクトの様子をご紹介していきます!
1年生ではまず、「手で見る?考える」という基礎的な力を身に付けます。
ここで大切なのは、絵や模型を上手に描いたり作ったりすることよりも、「よく見ること(観察)」を通して様々な気づきを得る力や、「何度も作り直す」ことで自分のアイデアを磨き上げる力です。
前期授業最初の「基礎演習」では、デッサン?スケッチ、透視図、建築模型の基礎を学びます。授業で描き方のコツを習い、それを応用して宿題に取り組みます。宿題は互いに見合い、質感表現や寸法の書き方の工夫を観察し合います。徐々に難易度が上がりますが、気づけば絵を描くことへの苦手意識もなくなっていきます。
基礎演習の宿題「室内俯瞰図(自分の部屋を見下ろした姿を一点透視図で描く)」を回覧中。
身近な道具と身体の寸法の関係を学び、その延長で自分用のデスクキャビネット(袖机)も制作します。他の学生と協力しながらものづくりに取り組むことで、デザインの基本姿勢も体験します。
これも「手で見る?考える」ことの1つです。
「インテリア基礎演習」では、空間に大きな影響を与える光に注目し、アイデアを模型化して建築へと仕上げていきます。こうした手を動かしながらで考えるプロセスは、建築における大切なデザイン手法の一つです。もちろんデジタルも本格的に学んでいます。
発表と講評を重ね、そのヒントを次の空間デザインへ発展させていきます。
後期授業最初の「施工演習」では、大学裏の森を活かし、森の生態、樹木や木材の特性、素材の特性を活かし体感しながら、実物大のリアルな空間を作ります。
生きた樹木を伐って木材に。その特性を生かして空間を作ります。
2年生からは、本格的に建築設計や環境デザインに取り組みます。
総合的に環境をデザインすることが大きな特徴で、街に出かけて課題を発見し、解決策を提案する演習や、住宅と庭を一体的にデザインする課題に挑戦します。
前期授業の「フィールドワーク演習」では、山形市中心市街地を対象に、6人程度のグループで街の特徴や課題を調査し、解決策は個人で提案します。近年増える空き家?空き店舗の活用提案が多く、空間提案だけでなく運営資金計画まで考えるのが特徴です。
現地調査結果を地図にまとめ、問題解決の根拠となる現状認識を行うことが大切です。
後期授業の「住宅の設計」と「住宅のランドスケープデザイン」は連続して行われます。
「住宅の設計」では、10区画の街区から1区画(270㎡)が割り当てられ、設定されたペルソナ(そこに暮らす家族像)に合わせて住宅をゼロから設計します。建主の立場を意識するのがポイントです。「住宅のランドスケープデザイン」では、各住宅周りの空間と街区中央の緑道もデザインします。住宅設計と敷地設計を通じ、1家族の空間から街区全体の緑道まで、デザインのスケールが広がっていきます。
個人のデスクで作業しながら、周囲の学生とアイデアや悩みについて意見交換し、デザインしていきます。
1年生から培った考える力、描く力、作る力をすべて投入し、完成作品を講評会で発表します。自分のアイデアを他者に分かりやすく伝えることも、デザインの仕上げとして重要な場面です。
正規の演習に加え、ツリーハウスプロジェクトは毎年異なる地域で実施されます。実測?デザイン?設計?施行?運搬など一連の作業に学年問わず多くの学生が参加し、地域の方々と交流を深めます。こうした実践を通じて、学生たちは意欲と実力を大きく伸ばします。
山形市蔵王で行ったツリーハウスプロジェクト
JA山形市が所有管理する賃貸アパートのエコな暮らしをデザインする産学連携プロジェクトも。
JA山形市「エコアパートメント五日町」プロジェクト
このような実践的な演習を通して、学生たちは空間を多角的に捉える力を養い、地域や社会に根ざしたデザインのあり方を考える姿勢を身につけます。さらに、観察力や発想力だけでなく、仲間と協働しながらアイデアを形にしていくプロセスを経験することで、将来の専門的な学びや実務へ活かしていきます。
今回は「建築?環境デザイン学科」の1?2年生の授業を中心に紹介しました。
3年生からは、さらに専門的な建築設計や環境計画の演習を選択して学びを深めていきます。最高の学びが広がる芸工大のフィールドで、ぜひ一緒に学びましょう!