中山ダイスケ学長がファシリテーターとなり、学内外からゲストを招いてさまざまな分野の話題を掘り下げる在学生対象のトークイベント【TUAD TALK】。今回のテーマは、「こころのはなし」です。慶應義塾大学の前野隆司先生と、コミュニティデザイン学科の矢部寛明先生とともに、幸せってなんだろう?を楽しく考えていきましょう!
以下TUAD TALKスタッフがレポートします!
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幸せのメカニズム。まずは口角を上げてみよう
初めに前野先生から、「幸せのメカニズム」についてご講演いただきました。幸せとは、範囲が広く明確ではない存在なので、とても興味深いですね。 幸せには長続きする幸せと長続きしない幸せの2つがあり、長続きしない幸せには地位財という周りと比べてしまう財が関係しているのだとか…!
前野先生:「お金?物?社会的地位 この3つは地位財と呼ばれていて、長続きしないんです。例えば社会に出て課長になった人がやったー!と喜んでも、それが一年ずっと続くかというとそうではないですよね。この幸せはドーパミンによるもので、ドーパミンは実は長続きしないんです。」
皆さんもバイトの給料が入ってやったー!となってもそれを一年中喜んでいる人は居ないですもんね。と前野先生が問いかけると、会場中がなるほどと納得すると同時に笑い声が響きました。
前野先生:「いいですね、笑ってください!笑うと幸せですから!」
その一言により、皆がさらに笑顔になりました!「笑うと幸せ」。なんて素敵な言葉!
そしてここで前野先生から一つ問いかけが…
前野先生:「皆さん、幸せに気をつけていますか?健康みたいに聞いてしまいましたけれど、幸せに気をつけると、創造性が3倍※になります。ですからアイデアに詰まってしまったらまず幸せになりましょう!他には生産性が高くなったり、離職率が低かったり、健康長寿になれたりします!」
※参考文献:ハーバードビジネスレビュー 2012年5月号「幸福の戦略」P.62~63
前野先生:「では皆さん、今から口角を上げてください!指を使って無理矢理でも効果があるのです。個人差はありますが、口角を上げるだけで幸福度が上がり、免疫力も上がって予防医学にもつながります!不思議でしょう。」
他にも相手の目を見て元気に挨拶をするだけでも予防医学につながるのだとか…!自分も相手も幸せに健康になれる簡単な方法があったのですね!
これからは健康だけではなく、幸せにも気をつけていきましょう。
「ありありなんや」の呪文で心を軽く
「ありありなんや」の呪文って一体どのようなものなの…?前野先生からお話を聞いていると、みるみる自分に自信がついてくる素敵な呪文で…!
①ありがとう
前野先生:「人と人との繋がりがあると幸せです!寂しい時は人と話してください!“人間”という漢字は“人との間”と書きますからね。ありがとうと言うだけで、文字にするだけで、幸せになれます。まずは形にすることが大切です。」
自分への愛を持ち、自分に優しく、人と話す。自分を幸せにするためにはまず自分を愛せるようになりたいですね。
②ありのままに
前野先生:「ありのままに、またはあなたらしく、です。自分らしくいられるのは幸せなのです。個性を発揮する。難しいですよね。人生を通して、自分を知っていく、個性を発揮していくのです。100年かけて自分のありのままを愛しましょう。」
③なんとかなる
前野先生:「新しいことを始める時に不安になりますよね、日本人の8割は不安になりやすいようです。なんとかなる!と思えるにはどうしたらいいのでしょうか。1人でやるより、5人とかでやる方が何とかなりそうな気がしませんか?失敗を恐れずにできそうですよね。失敗しても、笑わない。よくやった!と周りが言い合えるといいですね。ナイストライ!なんとかなる!自分にも人にも言えると心が素敵になりそうですね。」
④やってみよう
前野先生:「『テストまでに勉強しなさい!』と言われるより、『よし!テストまでに勉強するぞー!』の方が伸びます。主体的に動ける人は幸せです。やってみようと自分から夢を持ったり、やりがいを感じられる人は幸せになれます。」
「ありありなんや」の呪文をいつも心に持っておくと、日々が少しずつ明るくなっていけそうですね!自分が落ち込んでいる時にささえてくれるのはやはり周りにいる人だなあと聞いていて思いました。人を愛することはもちろん、自分のことも愛せるとにより幸せになれるみたいです。
前野先生:「皆さん人と自分を較べていませんか?SNSで人と比べてうらやましいなあ、となるのは危険です。あぶないです。」
SNSが当たり前の時代、同じ年代の人が自分に持っていないものを持っていると羨ましくなるのも日常茶飯事ですよね。羨ましいと思わないためには、自分を磨くことが重要なようです。ハードルは高くても、自信が出てきて気にならなくなりたいです!
前野先生:「でも今気にしちゃうことを気に病むことは無いです!少しずつ、より良い自分にしていければいいんです。人生は100年ありますからね。」
日本人は心配性?
矢部先生:「心配性遺伝子というものがあって、日本人はほぼ皆心配性なんだよと言う話をしたら学生たちがみんな安心した顔をしていたんですよ。私が悪いんじゃないんだなって安心していて。」
私も小さなことから大きなことまで、すべてのことが心配になってしまう時があるので、静かにホッと安心していました。
中山学長:「心配性なら自分で気づいて良いように言い換えられるもんね。慎重であるとかポジティブにね。」
前野先生:「慎重なのは日本人のいい面なんだけどね、着物でもおもてなしでも。でもそれを大丈夫かな…って心配しすぎてしまうのを周りが大丈夫、大丈夫!って言ってくれる環境が日本人には必要なんだよね。」
矢部先生:「授業の中でも、一日に良かったこと5つ書き出してみたらいいんじゃないかと学生に話すんですよ。強制ではないんですけどね。そうするといい方向に意識が向いて、だんだん学生が変わっていくなあと感じます。」
幸せになれる方向に意識を向けていくだけで、前向きな考えになれますね!不安になる時間が少しでも減らせるように心の健康を気にかけていきましょう。
学生からの質問
学生:「社会問題を解決する会社を作りたいと思っているのですが、前野先生は世界が平和になると思いますか?」
前野先生:「全ての敵を愛する。という気持ちなになれるなら世界平和は可能だと思います。でも憎しみを持ってしまうとダメなんですよ。目には目をという言葉がありますし…。人類は2500年くらいずっと哲学とか心理学とかやっているのに、平和になっていないとなると難しいのかなぁ…と思います。」
20年後のAIはもっと賢くなり、AIが神のような存在になったら世界平和になるかもしれませんねと前野先生は後からお話していましたが、やはりAIが人間より上に行ってしまう世界になってしまうのでしょうか…。不安と期待が入り乱れますね…!
前野先生:「理論的には世界平和になる、絶対できないことはないけれど、平和にするぞ!という気持ちではいましょう!」
今回の「TUAD TALK」では、心の健康や幸せとは何かという普段からよく考えてしまうことについて詳しく学べましたね。不安や悩みも、「ありありなんや」の呪文で心を軽くしていきましょう!前野隆司先生、矢部寛明先生、前向きになれる楽しいお話をありがとうございました!
次回のTUAD TALKもお楽しみに!
(文:グラフィックデザイン学科 山本凜、撮影:class studio)
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