[優秀賞]
木下夏海|おはようは誰のもの
宮城県出身
中村高寛ゼミ
映画
中村高寛 准教授 評
「半径5メートルの映画」という言葉がある。社会に目を向けることなく、自身の周辺しか描こうとしない若い世代が作る映画の総称だ。?
本作も一見、それにカテゴライズされそうだが、実はそうではない。大学という「半径5メートル」の小さい世界を舞台にしながらも、現代社会の歪みを、当事者の目線で描いていく。となると、頭でっかちな説教くさい映画なのかな?と身構えるかもしれないが、これが実にポップでエンタメ!木下夏海、なかなかの手練れである。
思い返すと、私が出会ったときから、社会に目を向け、問題意識を持った学生だった。そして本学4年間でたっぷりと映画表現を身につけ、実に野心ある、強靭な映画を作りあげた。君はもう無双だよ。私は木下監督の新作がすでに待ち遠しくてたまらない。