石巻商店街×ドライブスルーの可能性 -withコロナ時代の商店街の新しい使い方-
髙橋広椰
宮城県出身
山畑信博ゼミ
宮城県石巻市の観光の中心部は「マンガロード」と呼ばれ、漫画を生かした創造性あふれる街づくりに取り組んでいる。近年、商店街地区である石巻商店街は社会状況の変化やモータリゼーションによる車社会化、郊外の大型ショッピングモールの出店、コロナウイルスの影響など、時代の変化で商店として利用されない実態となっている。
本研究では、コロナウイルスでテイクアウト事業が流行しさまざまな店舗がテイクアウト戦略に対応したように、商店街の店舗も時代に合わせた形態変化で新たな価値を見出すことができれば新時代の商店街として新しい商店街の使い方を生み出せるのではと考える。そのためのシステムを考え、石巻商店街に従事する店舗スタッフや石巻商工会議所の職員の方に発表し、資料としてまとめ今後の商店街の復興の参考資料として利用していただき活気あふれる商店街が生み出されることを目的とする。
中心市街地での実地調査や現地のアンケート調査などで石巻商店街の買い物場所としてのポテンシャルの高さが理解できた。住民の石巻商店街に求めるニーズは無料駐車場の整備ということで、新たに駐車場の増設ができない商店街を道路の造りを工夫することで図1のようにワンストップスペースを設け問題解決した。周辺の有料駐車場は30分300円に対してワンストップスペースは30分無料、それ以降は追加料金を徴収する仕組みになっている。コンビニのような感覚で無料駐車場に停め買い物ができ、気軽に来店し買い物が終わり次第すぐに帰れる仕組みになっている。また歩道が膨らんだ図1の部分には歩行者の憩いのスペースとして椅子やテーブルを置き図2のように歩行者と車の共存を計画した。
またテイクアウトシステムも有料駐車場の一画を利用し提案した。図3のように有料駐車場の一部に持ち帰りボックスを設置し、ネット注文した客の商品を店側がボックスに納品し客が取りに来るという流れだ。商店街の多種多様な店舗のテイクアウトが受けられ、夜勤帰りで店舗が空いていない時間に帰宅する客にも24時間受け取り可能な受け取りボックスは活躍する。車と歩行者が共存した本論文が、廃れつつある石巻商店街が今後の街づくりを行う際の参考資料として利用され、活気溢れる街づくりが盛んに行われれば良いと考える。