[優秀賞]
阿部滉樹|Branch stool series
静岡県出身
藤田寿人ゼミ
枝の分岐パターンをモチーフとし、3D プリントなどの新技術を使用して、従来のスツールには見られない新しい見た目?構造を持ったスツールを研究し制作を行った。スツールの形状や椅子に対する固定概念を変え、興味を持ってもらうことをねらいとしている。
藤田 寿人 教授 評
身体を支えるポイント(重心)を起点にして椅子の構造を考えるとどうなるのか、という発想から、3Dモデリングによる構造研究が始まりました。当初、強度解析から造形を導き出そうと試みましたが、なかなか面白みのある形が見出せませんでした。試行錯誤の結果、木の枝の生育パターンに着想を得たことで、有機的なのに無機的な不思議なデザインパターンが生まれました。3Dプリンターで実際に座ることのできる椅子を使ったのは家具領域では初めての試みで、ジョイントや補強などトライ&エラーを繰り返しましたが、手作業では作り得ない独特な存在感を感じさせる作品に仕上がりました。3Dプリントによる制作はデータさえ作ってしまえば後はプリンターにお任せ、という甘いものではなく。プリンターの調子に合わせて材料や速度、室温などを調整しなくてはならないなど、実はとても手間のかかる作業でしたね。愛機とともによく頑張りました、おめでとう!